2020年当社の決意表明 その3 「建設業はクレーム産業である。」ということを

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従来建築業は「クレーム産業」と言われていて、一度依頼した業者には二度と頼まないというありがたくない称号がありました。
私も残念ながら、今でもそのような業界だと思う点もたくさんあります。
その理由として、不動産、建築は恐らく人間が購入するもの中では、一番大きな買い物であり、何十年にも渡り使い続けるということ、そして建物を作るにあたっては、近年の工業化住宅に代表されるような可能な限り現場での作業を減らしたとしてもどこかの部分では必ずアナログ的なという前近代的な職人の手を加えなければならないという特殊な事情もあります。

そして近年は更にAIの発達によって施主にとって都合の良いあらゆる情報が入るようになったということや、世の中が安売り競争は当たり前だという風潮になり安かろう悪かろう的な建物が増えたことも元々建設業はクレーム産業だといわれていたことに拍車をかけることになったと思われます。
特に新築に比べてリフォームは尚更その傾向が強いのです。
何故なら新築工事は建設許可を受けた設計図を基にそれに忠実に作って行けばよく、又、大手指向で比較的工場生産品を現場で組み立てるという要素をどんどん高めることが出来るのに比べてリフォームは現場によっては設計図もなく時代や工法が全く違う千差万別な建物に対して職人が手仕事で作っていかなければならないからです。

現場監督は各種職人を取りまとめます

現場監督は各種職人を取りまとめます

車やヨットやその他の高額商品等のほとんどが工程マニュアルに応じて機械や設備等がしっかり管理されたオートメーション工場等で完成させているため基本的には寸分の狂いもないような商品が提供できますが、建築の場合は、それぞれの現場において大した訓練も受けてないような職人が自分流の考えの元作っている部分が多いため出来上がりの完成度がまちまちだということもあります。
リフォームの場合、それらのことが要因で、会社のよってあるいは職人によって仕上がりもバラバラであり、どこの部分を指摘したとしても虫めがねで見ればクレームになり得るということなのです。
そしてさらに施主が悪意を持って、あるいはとても神経質な場合は尚更その傾向が強くなります。

建築現場

建築現場

又、建築は、一度建てたら少なくとも30年40年と使用し、建てたままの状態でそこにずっと存在しますが車は利用してせいぜい10年から15年位使用するだけです。それなのに更に車は1~2年毎の法律で決められた車検制度というもので定期点検なりメンテナンスをしますが、建物の寿命は車の3倍~5倍位の期間は利用するというのに、ほとんどの人は、お金を惜しんで適切なメンテナンスをしない場合が多いのです。
そして建物の状態によってかなりバラつきがあり、何か不具合が生じたとしてもどこからどこまでが業者の責任なのか不明瞭だということもあります。
建物を建てたら完成したその日からどんな建物でも人間と同じように経年変化により劣化したり、所々が故障したりしてきます。
それらを手直しするには大工や左官屋や設備屋、屋根屋、板金屋、防水屋、塗装屋等々たくさんの専門の職人の手を介さなければ出来ません。

そしてその修繕個所によってはどの職人にやってもらったら適切かは中々素人には解りません。更に職人と職人の仕事の隙間の部分の仕事は誰の仕事か解らないようなところもたくさんあるのです。
そして、互いの職人がある意味、無責任な感じで場あたり的に、適当に発言したり手直ししていて、それらの職人たちを束ねて指導していかなければならない現場監督なり責任者も専門的知識や管理能力不足でそれらの調整役が出来ていないということもあります。
それから一口に建築と言っても様々な工法や構造、又あらゆる用途があるためそれらの全ての知識を得て事に当たることは、実際は不可能に近いということもあります。

建築基準法にのっとって設計する

建築基準法にのっとって設計する

一方で、建物は好き勝手に作れば良いというものでは無く、建築基準法や都市計画法や消防法等、法律に照らし合わせて合法的でなければならない部分もあります。
建物の所有者は個人や法人であってもある意味近隣とか公共とかそういう他の部分にも気を配らなければなりません。
又、地震や台風や様々な災害に対しても強くなければならないし、セキュリティや防犯にも気を付けなければならない。
そのように建築という仕事は非常に高度で複雑で難解な業種なので、それらと全て解決してくれるスーパーマンなどどこにも存在しないという事も言えるのです。
そして次から次と出て来る新しい建築資材や設備機器類もありますから、担当者はそれらの情報を集め知識を深め、使い方も熟知しなければなりません。
そう考えていくとそれらの多種多様な条件を解決してくれる会社など、どこにも無いのかも知れません。
建築業がクレーム産業と言われる所以はそんなところにもあるのです。

一級建築士  蓑田 常弘


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プロフィール

蓑田 常弘

Author:蓑田 常弘

一級建築士 蓑田常弘

株式会社ミノダ建築デザイン 代表
LIXILリフォームショップライファ立川代表
株式会社スインクハート 代表


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建築一筋だが、建築馬鹿ではない。

いつ仕事をしているか分らないが、しっかり納期には間に合っている。

自分の好きな建物の仕事で生計を立てられている自分はとても幸せ者だと思う。

1日おきの2kmの水泳はこれからずっと続けたいと思っている。
(楽しみというより修行のような)

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