和室のすすめ その3 先人の教えを学び少しでも実践する

吉田五十八設計の数奇屋造りの建物

吉田五十八設計の数奇屋造りの建物

私は修行時代にはたくさんの設計事務所で仕事をしたり勉強させる時間を頂きましたが、その中のひとつに、吉田五十八先生(1894~1974年)の仕事を何件かさせて頂いた事がありました。
当時、吉田先生は旧歌舞伎座や成田山新勝寺や数々の数寄屋建築を手掛けられており、もうほとんど高齢で最期の頃で事務所のスタッフが対応されていましたが、その時に数寄屋建築のディディールがやたら複雑で、そこから和風建築の真髄の一部を学ばせて頂きました。
その事は、私自身が今でも1軒の住居の中に一つでも和室を作っておいた方が良いと思い、それを実践していける基礎となっています。
吉田五十八設計 猪股邸間取り図

吉田五十八設計 猪股邸間取り図

又、当時は村野 藤吾先生(1871~1984年)や吉村順三先生(1908~1997年)といった日本の伝統とモダニズムの融合を図った和風建築設計の大家がたくさん居られましたので、私の時代はある意味幸運であったのかも知れません。
又、伝統的な日本建築から影響を受けた外国人建築家もたくさん居て、有名なところでは、旧帝国ホテルを作ったフランク・ロイド・ライト(1867~1958年)や、その帝国ホテル建設の時、ライトの弟子として来日したアントニン・レーモンド(1888~1976年)や、フィンランドの建築家アルヴァ・アールト(1898~1976年)等は日本建築から何らかの啓示を受けたような作品が見られます。
アントニン・レーモンドの建築 アントニン・レーモンド
アントニン・レーモンドの建築
フランク 旧帝国ホテル

フランク・ロイド・ライト建築 旧帝国ホテル


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旧帝国ホテル内

現代社会は何もかも合理的な、要素が重要とされています。
無駄なく合理的で効率的であることを、金科玉条のごとく崇め奉って、結果的には自分が都合の良いように解釈して、安くて簡単で便利で早くてというものが重宝されています。しかし完成された建物を見ると、どこか何か薄っぺらくて、昔の建物のように魂が入っているとは感じられないのです。
そういう意味では、和室、和風というのは、間取りやディティールにおいては合理性を追求する一方で、出来上がった空間は神社仏閣のように神格化されたり、茶室のように詫び錆というアート、哲学に達するような精神性というか威厳があるのです。

建築は一度建てると少なくとも40年から50年と、又、世代も二世帯から三世帯に引き継がれたり相続されて長年に渡り住み続けるものです。
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それなのに工期が1ヶ月短かかったから、あるいは工事金額が200万円高かったからといって契約の意思決定早いとか安いという合理的な思考で選ぶのはどうかと常日頃から思っています。そしてそれは長い目で見ると施主としてとても損している様な気がするのです。

一級建築士  蓑田 常弘


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プロフィール

蓑田 常弘

Author:蓑田 常弘

一級建築士 蓑田常弘

株式会社ミノダ建築デザイン 代表
LIXILリフォームショップライファ立川代表
株式会社スインクハート 代表


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建築一筋だが、建築馬鹿ではない。

いつ仕事をしているか分らないが、しっかり納期には間に合っている。

自分の好きな建物の仕事で生計を立てられている自分はとても幸せ者だと思う。

1日おきの2kmの水泳はこれからずっと続けたいと思っている。
(楽しみというより修行のような)

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