和室のすすめ その2 和室の復権を望む

吉田五十八設計 猪股邸

吉田五十八設計 猪股邸和室

あらゆる業界の現在の私達は、AIの発達によって何でもすぐに情報が手に入るようになった事も巡り廻って皮肉な事に和室が少なくなった原因のひとつかも知れません。
施主も作り手もネットでちょっと調べただけで、上っ面の情報はいくらでも出て来きますし、結果としてどうしても安いものを求めていくということになっています。つまり、安かろう悪かろうでも良いという風潮になっているのです。
しかしながら昔ながらの和室に近いものを作り出すには相当な専門的知識が必要だし、お金もある程度必要です。そして最後にはそれに対応できる職人の存在が不可欠です。
2_202001161406412bb.jpg

しかしながら、その最後の職人が年々絶滅してきているという事を考え合わせると、もう本物の和室なんかどうでも良いという考えが強くなったのでしょう。
何かちょっと浮ついた気持ちになっていて、これは建築には限りませんが、世の中の全てが薄っぺらで物事の本質が解っていないどころか私達の重要な財産や歴史をいとも簡単に知っているとしか思えません。

和室といっても、何も安土桃山時代とか平安時代とかにあったような和室を作れといっているのではありません。
国産材の木材

国産材の木材

本物でなくても良いので、せめて日本国産の杉とか桧とかの材料を一部でもいいので使用して少なくともユニットの建具や枠や木の様に見える新建材は、出来るだけ使わないようにするとか、せめて、和室の部分だけでも職人が自分の蓄積された技術で自分がこの部分は作ったんだよという誇りの様なものは残してほしいのです。
例えば、職人には粗削りの製材された木材を現場でノコで切りカンナを掛けノミでホゾを切る位の手間暇はかけてほしいと思っています。
大工道具

大工道具

そしてその他の日本の伝統的な建築職人である左官屋には塗り壁や、タタミ屋には藁が芯材のタタミを自分で加工するとか、建具屋には和紙を貼った木製格子の障子や、せめて風流紙や鳥の子の襖紙を貼った襖を使ってもらい、プランや様式では書院造りまでには求めないけどせめて床の間位はつけた和室にして欲しいのです。
そしてそれらの細かな部材と空間についてプロとして施主に色々とうんちく位は述べる位のプライドは持ってほしいのです。
そうしないと、せっかく先人が積み上げてきた和室を作る為の技術や精神性が失われてしまい二度と復興することはあり得ないと思っています。

来日外国人 推移

来日外国人 推移

現在日本に訪れる外国人の数は年間31,191,900人(2018年調査)に登ります。
それら外国人が行きたい街は、京都や奈良、そして日本全国にある神社仏閣等の日本建築が見られる街がとても多いのです。
それらの日本建築を作り出す伝統や技術や職人の技を絶やす訳にはいきません。
そのような思いもあり、私は建築家としてあるいは建築施工業者として微力ながら可能な限り和室を残す為に作り出せる環境を整えていきたいと思っているのです。

一級建築士  蓑田 常弘


→ブログのトップへ戻る
→ライファ立川のホームページへ
スポンサーサイト



プロフィール

蓑田 常弘

Author:蓑田 常弘

一級建築士 蓑田常弘

株式会社ミノダ建築デザイン 代表
LIXILリフォームショップライファ立川代表
株式会社スインクハート 代表


→ 会社ホームページ

建築一筋だが、建築馬鹿ではない。

いつ仕事をしているか分らないが、しっかり納期には間に合っている。

自分の好きな建物の仕事で生計を立てられている自分はとても幸せ者だと思う。

1日おきの2kmの水泳はこれからずっと続けたいと思っている。
(楽しみというより修行のような)

最新記事
月別アーカイブ
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

建築に関するブログ

住まいに関するブログ

自然素材に関するブログ

日々おもうこと

ごあいさつ
社長あいさつ