木を見て森を見ず その2「森を見て木を見ず」

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「森を見て木を見る」とは、前回書いた「木を見て森を見ず」の逆のことわざですが、全体ばかり見ていて、ひとつひとつのことを見失っているという事です。
森という表だけの外観を見ていても、木のひとつひとつの特徴とか個性を見る事は出来ません。
軍事 孔明 黒田官兵衛

広い視野で功績を上げた
軍事 (左)孔明 (右)黒田官兵衛

ビジネスや戦争における戦略と戦術という分け方にも似ているかもしれません。戦略だけが良くても、又、戦術だけが良くても、その戦いには勝てません。
私は中小企業の経営者をしていますが、社員に対し、売上目標やイメージ戦略だけを掲げたとしても社員1人1人の能力ややり方を引き出して結果を出さなければ良い戦略も絵に描いた餅になってしまいます。
もちろん建築設計や工事にとっても「森を見て木を見る」は適切な建物を作り上げる上では大切なポイントとなります。
広い視野を持つ

広い視野を持つ

その建物を創るうえでは全体のイメージをつかみ取ることは、森を見るという事になるのかも知れません。誰のためのどんな目的のというテーマがあり、その建築を建てる場所の環境や法律等を考慮しながら計画を立て、徐々に建物の構造や間取りや素材を決めていきます。そして更に原寸にこだわった細部設計を行わなければなりません。そして細部の設計に至っても「森を見て木を見る」という視点が出来なければ機能的で合理的そして美しい細部の設計をする事は出来ません。
建築家ミース・ファン・デローエ

建築家ミース・ファン・デローエ

つまり、建築を構成している建物の細部でさえ「森を見て木を見る」という能力が求められるのです。
近代建築の巨匠の1人であるアメリカの建築家ミース・ファン・デローエの言った有名な言葉「細部には神が宿る」とは建物における細部がとても大事なことだと言っているのですが、建物全体である森を見る事ももちろん大切なことだという前提に立って言っているのです。

これらの大原則の視点を持つ事は建築に限らずどんな職業の人でも本物あるいはプロと言われる人たちには必要不可欠なものです。
患者に寄り添う医者

患者に寄り添う医者

例えば、良い医者とはどんな人なのでしょうか。
医者の仕事の本質は、その患者の病気を見つけ、その病気に対して適切な医療行為を行うという事ですが、最近の医者はパソコンとにらめっこで患者の顔を余り見ないという批判があり、私もそう感じます。
血液検査や血圧やX線検査のデータを見る事は大切な事ですが、それと同時に患者の顔色や表情や言動を注意深く観察したり、触って見たりすることもとても重要なことです。適切な医療行為を行うという意味で何かの薬を選ぶという事だけでも大切な事です。
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その他、他の薬との比較とか副作用の事とかを考える事も重要です。又、その患者にとってその薬は適切なのかとか治癒するまで時間の捉え方とか、他の薬との飲み合わせの問題とか、価格とか、はたまたその患者には薬を与えない方が良いのではないかとかいうような様々な視点から、判断する事が出来なければ本当に良い医者とは言えないのです。 「木を見て森を見ず」や「森を見て木を見ず」では本当のプロとは言えないのです。
それらの能力は政治家だろうが宇宙飛行士だろうが洋服の仕立て屋だろうが、人から本物と言われるには必要なものなのです。

一級建築士  蓑田 常弘


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プロフィール

蓑田 常弘

Author:蓑田 常弘

一級建築士 蓑田常弘

株式会社ミノダ建築デザイン 代表
LIXILリフォームショップライファ立川代表
株式会社スインクハート 代表


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建築一筋だが、建築馬鹿ではない。

いつ仕事をしているか分らないが、しっかり納期には間に合っている。

自分の好きな建物の仕事で生計を立てられている自分はとても幸せ者だと思う。

1日おきの2kmの水泳はこれからずっと続けたいと思っている。
(楽しみというより修行のような)

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