家にとっての大敵は漏水である その8 フラット屋根からの漏水の原因

縦型、横型ドレン

縦型、横型ドレン

勾配屋根の場合は雨水を自然な屋根の傾斜で軒先まで流し、軒先に付いている軒樋に集めて何ヶ所かにある竪樋で地上に流して、敷地内に放水するか地上の排水桝に流して道路にある下水管に流します。
それらの方法はフラット屋根の雨水排水でも同じですが、フラット屋根の場合は軒樋に変わって屋上ドレンという排水桝を経由して竪樋に流していきます。
ドレン廻り断面図

ドレン廻り断面図

傾斜屋根の屋根材にあたるものが防水剤という事になりますが、使用するところがフラットな分だけ建物を雨から守る役割は重要となります。
ですから、余程予算が無いとか、屋上部分でテラスとして人間が歩行したり利用しない部分は露出防水として防水剤をそのまま露出させているケースもありますが、本当は防水材の上を保護する為のモルタルや軽量コンクリートを打設する必要があります。

壁の中や天井裏に侵入してきた水は、今日降った雨水が、あるいは給排水管のどこかの漏水がその日の内に室内表面に出て来るケースはほとんどありません。
2年とか5年位前から少しずつ漏水していた水が少しずつ表面に浸みて見えるようになるわけですから、ほとんどの場合がかなり中長期的に長い間建物の内に侵入してきていたケースがほとんどです。

漏水 天井裏から見た屋上部分

漏水 天井裏から見た屋上部分

一般的に室内の天井面や壁面で漏水が発見された場合は、真上の部分に漏水の原因があると考えがちですが、実際の漏水事故例を探ってみると漏水の出口からかなり離れた部分から水が浸入している場合が多く、又、複数の侵入口から水の侵入口となっている事もあります。つまり漏水侵入口と漏水場所の位置関係はかなりずれている場合がほとんどです。
ですから天井から漏水しているから屋根からとは限らずサッシ廻りだったり外壁だったり、屋上やテラス、場合によっては雨水でなく天井裏の給水管や排水管だったり、室内の浴室の防水が原因だったりしますから、漏水事故例をたくさん体験している者が診断しない限り永遠に原因が突き止められる事は出来ません。

防水工事

防水工事

あとは陸屋根の建物の漏水原因としては、屋上のパラペット笠木や手摺部分や防水の立ち上がり部分の端末処理やシート防水等の重なり部分等からの漏水とか、通常の雨の時は平気だが台風や強風に伴って侵入してくるケースもあり、その原因を知ることは非常に高度な専門能力や想像力が必要となります。ですから単に防水屋とか板金屋とか左官屋とかタイル屋とかの単独の職人は建物全体の構造、仕様によってはほとんど理解していませんので、それらの職人の言っている漏水原因の話などは全く違っている事だと思った方が良い位難しいのです。
しかしながら漏水によっては建物の痛みや劣化が進行して建物の寿命が決まってきますので漏水の調査や修理方法はとても大切な業務と言えます。

一級建築士  蓑田 常弘


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プロフィール

蓑田 常弘

Author:蓑田 常弘

一級建築士 蓑田常弘

株式会社ミノダ建築デザイン 代表
LIXILリフォームショップライファ立川代表
株式会社スインクハート 代表


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建築一筋だが、建築馬鹿ではない。

いつ仕事をしているか分らないが、しっかり納期には間に合っている。

自分の好きな建物の仕事で生計を立てられている自分はとても幸せ者だと思う。

1日おきの2kmの水泳はこれからずっと続けたいと思っている。
(楽しみというより修行のような)

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