家にとっての大敵は漏水である その7 フラット屋根からの漏水

フラット屋根

フラット屋根

勾配屋根は木造住宅や一部軽量鉄骨造の建物に多いのに対して、フラット屋根はRC造や重量鉄骨造といったビルや、マンションに多く見られる型式の屋根の形態の事です。 住宅だとヘーベルハウスや大成建設のパルコン、セキスイハイムといったハウスメーカー系の住宅にも数多く見られます。
屋上部分や2階及び3階部分の一部をフラット屋根としてバルコニーや屋上テラスとして利用できるのが特徴の建物です。又、中高層ビルの屋上や高層マンションのバルコニー部分や屋根部分が平(たいら)になっている建物で様々な防水処理をする事で建物を漏水から守っています。
防水材としては大きく分けると塗り防水とシート貼り防水とに分けられ、塗り防水としてはウレタン系、ポリマーセメント系、アスファルト系がありシート貼り防水としてはウレタンシート、アスファルトシート等がありますが、様々なメーカーによって次々に新しい商品も出てきています。

熱式アスファルト防水

熱式アスファルト防水

以前は熱式アスファルト防水が主流だった時もあります。
工事中の屋上等でアスファルトの溶剤を熱で溶かして屋上部分に塗膜として流し込むのですが、液状の溶解アスファルトが平面部分の凹凸部分に満遍なく入り込み水密性、耐久性共に高く施工の不具合が出にくい工法ですが、アスファルトの溶融時に強い臭いと煙が発生する為近年の改修工事は、冷工法、トーチ工法があります。
仕上に防水層の上をコンクリートで保護するか、砂の付いたシートで仕上げる露出タイプの2タイプがあります。
従来の溶解アスファルト工法は、最も信頼性の高い工法であり、保証期間も最長25年位は保証されるケースもあります。
露出防水工法

露出防水工法

大体、防水材の保障期間としては3年、5年、7年、10年位までありますが、一度やったら永久に防水効果があるというものでは無く定期的に点検したり補修していかなければなりません。そうしないと建物の主要構造部が腐蝕したり破壊されたりして、酷い場合には建物全体を作り替えなければならないという事になります。
そういう意味では車の車検と同じように、新車時は3年目に、それからは2年に1回点検するという様な考え方も必要ではありますが、建物の防水の点検は法律的には何ら拘束されているものではありませんから全てその建物の所有者の判断という事になります。

防水メンテナンス

定期的な防水メンテナンスをお勧めします

実際、漏水調査の依頼があり、私自身が現場調査に行って確認したケースでは、外壁部分や室内部分において何らかの漏水の兆候はあったものの表面的にはそれほど酷い状態ではなかったにも関わらず、外壁の下地や天井裏の中を見てみると、ほとんど下地材が腐っていて、いつ落下してきてもおかしくないような現場もたくさんありました。
防水工事については建物の見映えとか使い勝手が良くなるとかいうものでは無い裏方の地味な部分ですから余計なお金を掛けたくないという気持ちは解ります。
しかしながら実は車の最も大切なエンジン部分や人間が乗る室内部分に雨水が恒常的に侵入してきたらどうなるのかを考えるとします。建物における防水の役割を車におけるそのような事と考えると、防水の種類や工法の重要性が理解できるのではないでしょうか。
フラット屋根の漏水原因の一例

フラット屋根の漏水原因の一例


一級建築士  蓑田 常弘


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プロフィール

蓑田 常弘

Author:蓑田 常弘

一級建築士 蓑田常弘

株式会社ミノダ建築デザイン 代表
LIXILリフォームショップライファ立川代表
株式会社スインクハート 代表


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建築一筋だが、建築馬鹿ではない。

いつ仕事をしているか分らないが、しっかり納期には間に合っている。

自分の好きな建物の仕事で生計を立てられている自分はとても幸せ者だと思う。

1日おきの2kmの水泳はこれからずっと続けたいと思っている。
(楽しみというより修行のような)

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