古い民家を解体した時に出る「古材」についてのビジネスセミナーがあったから行ってきました。

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当社の1階、自然素材を多く使って造り上げた
大人のリノベーションショールーム

私は、昨年暮れにオープンさせた自然素材を使った「大人のリノベーション」のショールームの事があるので、その主役である「木」についてはとても興味があり、その奥深さをもっと知りたい、そしてもっと活用していきたいという気持ちが強いので、ネットで見つけたこのようなセミナーに興味があり、東京駅近くにある会場に出掛けて行きました。
そして、その会場に約20名位の人達が来ていて、そのセミナーの後にその主催者の方が作ったという店での懇親会にも出掛けてきました。そこには、約10名参加者が集まり、飲食をしながら名刺交換をしたり、セミナーの感想を話したりしました。そこには、そのセミナーを主催した会社の社長や社員やスタッフも参加し、約1時間位経過したところで、私はその中では一番最初に「お先に失礼します。」と帰路につきました。
その社長がいう古材ではなく古木(KOBOKU)というフレーズには納得しましたが、ビジネスとして何となくしっくりこなかったのです。
古材 古材を使ったリフォーム 古材を生かした事例
古材(KOZAI) 古材を生かしたリフォーム事例
又、案内された東京都心のビジネス街のビルの2階にあるこじんまりした立飲み形式の居酒屋に使われていた古材や店のデザインには、何も感銘を受けることはありませんでした。
その社長の言う古木(KOBOKU)という存在ではなく、どこにでもあるような古材が使われていたからです。
そして次の日、名刺交換をした千葉県の解体業者の方からきたお礼のあいさつを兼ねたメールの返信において、私が感じたことを書かせていただき、返信しようと思ったら長い文章になっていき、3~4日後にやっと送った文章は以下のようなものでした。

※メールの返信に添えた文面
●● 様

こちらこそありがとうございました。
私なりの先日のセミナーに参加した印象を話します。
○○側では長野県という地域性もあり、古い民家がたくさんあり、商標登録をした「KOBOKU」を通じてビジネスモデルを作りたい、そのために単独で行うには、施工や大量消費等難しい問題が色々あるので、パートナーを募りたい、ということだと思います。

特に古木収集と在庫管理は今後は益々困難になることが予想されますので、○○としてそれなりに実績を上げてきた現在のタイミングで対外的なイメージ戦略と商品の販売を兼ねて、古木ネットワークのビジネスに目を付けたのではないかと思います。
宝の山である民家の解体、古木収集、古木販売、あわよくば店舗設計施工で、第一人者になりたいのでしょう。TV放映やマスコミにも○○のことが取り上げられ、ある意味古木ブームということもあり、このタイミングでパートナーと一緒にこの事業を成功させたいという思いなのでしょう。

古木の所有者と古木を活用する事業者とパートナーとそして古木を使用した居酒屋や店舗を利用した顧客全てがwin-winの関係が築けて、「日本人」の精神の拠り所とか自然に優しい事業であるとか、自然循環型の社会への貢献とか、空き家問題の解決とか、美しく優しい言葉がたくさん出てきましたが、○○の目的は、あくまで自分の夢を実現するということであり、その手段の一つとして、パートナーというネットワークを作る、ということです。

パートナーには毎年300万円の古木を購入させ毎月3万円の会費を取る、そして、参加したパートナーである工事店の持っている施工能力を活用したりして、店舗を運営する大手のショップチェーン等の信頼を得て「古木」というジャンルにおいて、○○が独占していきたいのではないか、と思います。
□□が古木には定価がないから利益をいくらでも出せる、と言われていたように、加盟店が購入させられる毎年300万円の材料費も定価がないようなものですから、加盟店が強制的に購入させられる古木が安いかどうかを検証することはできません。そこはむしろ昔の山師的な発想なのでしょうか?
ほとんどタダ同然で手に入れた古木を宝の山に変えるということですから、成功すれば、凄いということになりますが、木という自然素材と日本人の精神性が宿っているような古木をITのアプリという、いかにも嘘っぽいもので結び付けるのはどうなのか、と思いましたし、恐らくどこかの段階で「KOBOKU」と「IT」は喧嘩するのではないか、と私は直感的に思いました。
そしてそのことは先日の○○の懇親会場で□□にも直接話しましたが、その時□□は検討しますと言ってました(笑)。

又、小さな工務店で年間300万円の古材を使い切るのは中々大変なことですから消費するために無理矢理にでも突貫工事で使っていくという弊害も出てくるでしょう。そうすると、やっぱり工事は店舗主体ということになるのではないでしょうか。
店舗は住宅等と違い、施主が商売人ですから、コストはギリギリまで下げられる可能性があります。その中で利益を出していくことは難しいかもしれません。又店舗を施工する場合のリスクとしては、店のオープンにこぎつけるには夜間等も突貫工事をしなければならない等、現実的にはかなり困難なことです。
繁華街で行うことが多いため、駐車場代等、経費もたくさんかかり、最後に残金回収のリスクも伴うことが予想されます。
そういうことを考えると、古材でも古木でも同じですが、必要に応じてその都度購入した方が断然理にかなってるし、リスクも少なく、利益を出せるのではないかと思いました。

長々と書きましたが、●●様の行われている解体処分等は将来性は有望だと思いますが、●●様にお聞きしましたところ、他業種からの参入も多いと聞きましたが、社会の産業廃棄物等の社会的関心も強まり、ささいなことでも許されない今の日本社会において、今後益々処分のコストがかかってくるでしょう、そして、日本の経済状況の悪化が叫ばれる中で、○○の要望の厳しさと現実の狭間の中で、変な捻れ現象が起こり、起業するも閉鎖せざるを得ない業者も出てくるでしょう。我々建設業に携わっている人間も仕事はあるけれど、種々の経費が大きく膨らんでくる上に、関連業界との競合の中で利益率が下がり、立ち行かなくなる業者もたくさん出てくるように思われます。

宜しくお願い申し上げます。

株式会社ミノダ建築デザイン
蓑田 常弘
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プロフィール

蓑田 常弘

Author:蓑田 常弘

一級建築士 蓑田常弘

株式会社ミノダ建築デザイン 代表
LIXILリフォームショップライファ立川代表
株式会社スインクハート 代表


→ 会社ホームページ

建築一筋だが、建築馬鹿ではない。

いつ仕事をしているか分らないが、しっかり納期には間に合っている。

自分の好きな建物の仕事で生計を立てられている自分はとても幸せ者だと思う。

1日おきの2kmの水泳はこれからずっと続けたいと思っている。
(楽しみというより修行のような)

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