日本家屋と屋根  その2 「日本の気候風土に合った瓦屋根や藁葺屋根」

ss瓦屋根

瓦屋根

日本建築の屋根材といえば、戦前そして戦後も昭和50年位までは日本瓦が主流でした。そして生活様式が洋風化するに従って、建物のデザインも和洋折衷や洋風のデザインが増え洋瓦が普及するようになりましたが、日本各地で度々起こる大きな地震の発生によって建物が倒壊するようになり頭でっかちの屋根の重量が重い家程、耐震的に不利だという事になり徐々に軽量の屋根材に変わってきました。
恐らく昭和50年代になるとカラーベストというセメント系の薄い板状の屋根材が生産されるようになって建売住宅を中心に徐々に瓦屋根からカラーベスト葺きや金属板葺きの屋根材に移行していきました。
その結果として、今では新築工事の住宅の屋根材として、本瓦を使った家は10%も無いのではないでしょうか。
無題

瓦職人がどんどん居なくなっています

前回に書かせて頂いたように、土で出来た日本瓦は日本の気候風土においてとても素晴らしい住宅建材なのになのに耐震的に不利というだけで使われなくなったという事は大変残念であり、もったいないなと思います。
しかしながら瓦職人という特別な建築職人がどんどん居なくなったり、需要が落ち込むに従って瓦の製造会社も縮小や生産中止を余儀なくされる事になり、今後、瓦屋根として採用するとしてもかなり高価な物になっていく事が予想されるところです。
瓦は、断熱性や耐久性や美観にも優れていますし、何といっても山や田畑や青空や雨の日といった日本の風景にはとても似合っています。私自身はこれから設計し施工する家では、お客様にしっかり説明し出来るだけ使っていきたいと思っているところです。

田園風景とよく合う瓦屋根

田園風景とよく合う瓦屋根

屋根瓦は九州、沖縄から東北、北海道に至るまで地方によってそれぞれ特徴があり、それゆえ日本の四季の風物詩として欠かせない素材であり、田園風景にしっかり溶け込んだその姿は日本人の私達には何か安心感を与えます。それに比べて超高層ビルのように屋根の見えない建物は何か不安な感じにさせます。
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沖縄の屋根の上のシーサー

沖縄の赤瓦には魔除けのシーサーが乗っていて、その獅子の形を見れば屋根屋が誰かが解ると言いますし、富山県五箇所の合掌造りや岐阜県白川郷の合掌造りは独特の形をした藁葺屋根となっていて、豪雪地帯の気候や生活に合わせ試行錯誤して作られた住居様式ですが雪下ろしが楽になるよう工夫されていたり、雪が自然に落ちるよう急勾配になっています。
瓦屋根 富山県五箇所の合掌造り 北海道では三角屋根のサイロ
瓦屋根 富山県五箇所の合掌造り 北海道の三角屋根 サイロ
囲炉裏の煙で防虫効果もある藁葺屋根

囲炉裏の煙で防虫効果もある藁葺屋根


囲炉裏

囲炉裏

又、家の中にある「囲炉裏」から立ち上る煙は防虫効果や防腐の役割があり、個の藁葺屋根に使われている茅や縄が長持ちする効果があり、毎日囲炉裏で焚いていた頃には藁葺屋根は70年位もったといいます。
藁葺屋根は村の人達が皆で集まって葺き替え作業を行っていて地域の人達のコミュニケーションや絆を強くする役割がありました。何といっても山の稜線に似て自然と一体化し、日本の高温多湿の気候にはうってつけの素材でした。そして通風も良く夏のエアコンも不要でした。又、屋根裏で飼っていた蚕の為にも良い自然素材で出来ていて急勾配の屋根の最上部分は屋根裏部屋として最適な空間も確保できました。
又、北海道では三角屋根のサイロが牧草や羊の群れと良く似合う風景でした。その他本州でも中国地方から関東、東北地方そして四国とそれぞれの屋根の特徴があり、屋根の堂々とした風景は日本という国の大切な文化として、いつまでも保存しておきたいものです。

一級建築士 蓑田常弘


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プロフィール

蓑田 常弘

Author:蓑田 常弘

一級建築士 蓑田常弘

株式会社ミノダ建築デザイン 代表
LIXILリフォームショップライファ立川代表
株式会社スインクハート 代表


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建築一筋だが、建築馬鹿ではない。

いつ仕事をしているか分らないが、しっかり納期には間に合っている。

自分の好きな建物の仕事で生計を立てられている自分はとても幸せ者だと思う。

1日おきの2kmの水泳はこれからずっと続けたいと思っている。
(楽しみというより修行のような)

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