「つらい状況」を乗り切るためには

どんな人でも人生の中で一度や二度ではなく何度も辛い状況に陥っていく場面があります。私がよく使う言葉に「人生には上り坂と下り坂と“ま坂”」があるというフレーズの中の「下り坂」更には「ま坂」という場面でしょうか。
これは何も自分自身だけの問題ではなく、自分の家族や知人や所属している会社や団体を通じて襲ってくることもあります。この場合「ま坂」とは、自分としては全く予測していない事で、交通事故にあったとか、災害に巻き込まれたとか、家族の誰かに不幸なことがあったとか、もちろん自分自身が癌や脳溢血やとても重い病気になったとかも含まれます。また、結婚した相手がとんでもない人だったという事もあるかも知れません。
自分が人間として生まれた時すでに“ま坂”という人もいるかも知れません。人間生まれた時から自分自身で国や親を選べないのですから、人生のほとんどの部分は自分自身の問題というより他人次第という側面があるのかもしれません。もちろん自分自身の身から出た錆ということも“ま坂”の原因になっていることも多いでしょう。

逮捕された高畑裕太

昨日(8月23日)起こった俳優 高畑裕太容疑者が強姦致傷容疑で逮捕された事件も“ま坂”の事件でしょう。この事件によって本人および母である女優 高畑淳子はもとよりテレビ局や制作会社等、様々なところに影響が飛び火していきます。
母子家庭の長として苦労して育て上げ、社会に出て認めてもらえそうなその時にこの事件は起きました。

人生における“ま坂”は「青天の霹靂」とか「寝耳に水」という言葉で表すことが出来るかも知れません。普段仲良く付き合っていても人が困った時に意外と他人は助けてくれないものです。お金の問題となるとなおさらそうです。親や兄弟といった身内は他人より助けてくれるかもしれませんが、それでもほんの少しの部分しか助けてくれないものです。肉親でも長い間うまく付き合っているかどうかも解りませんし、子供の時には仲良くてもお互いに結婚したりして第三者の他人が介在してくると助けてくれるどころか足の引っ張り合いになっているというケースもたくさんあります。
相手だって人生にいっぱいいっぱいで、ゆとりが無い場合がほとんどです。そしてやっぱりお金の問題となると中々難しいでしょうから結局は自分一人で解決していかなければなりません。もしうまく乗り切れないとなると本人や廻りの人達は追い込まれていきます。
酒や睡眠薬に頼ることになるかもしれません。自暴自棄になり、暴力をふるったり、周囲に当たり散らしたりしている人もいるでしょう。そして体や精神はボロボロになっていきます。それでも問題を解決できないとなると人間が行動できる選択肢はそれほどたくさんありません。コツコツと時間をかけてでも、問題を解決していく人もいるでしょう。しかしながら、そうできなければ (1)問題から逃げまくる (2)約束をしてもそれを反古して守らない (3)嘘つきになる (4)他人の物を盗んだり奪ったりする (5)自ら命を絶つ(自殺・テロ)というような選択肢しか残っていません。そして現実的には結果として私たちの身の廻りで様々な形で日常的に起こっています。時にはその人が有名人だったり、大きな事件になったりした場合にはニュースになったりしますが、ほとんどの場合は何も無かったように自分達の身の廻りから過ぎていきます。
人間はそのような時にどのように乗り切っていけるのでしょうか。

逆境の時にどう乗り切るかと、いろいろ調べてみると「レジリエンス(Resilience)」という言葉にぶち当たりました。レジリエンスとは、弾力、復元力、又、病気などからの回復力、強靭さと訳される言葉で、近年では特に「困難な状況にも関わらず、しなやかに適応して生き延びる力」という心理学的な意味で使われるようです。
それは個人のみでなく、企業・行政等の組織システムに至るまで、社会のあらゆるレベルにおいて備えておくべきリスク対応能力、危機管理能力というものなのでしょう。

イローナ・ボニウェル

ストレス社会と言われる時代ですが、どうすれば逆境力を養えるのか、心理学者イローナ・ボニウェル博士は「レジリエンスには思考の柔軟性が必要なことが分かってきました。つまり、厳しい状況でもネガティブな面だけではなくポジティブな面を見出すことが出来る人が逆境を乗り越えることが出来るのです」と言っています。
レジリエンスは生まれつきの能力だけでなく、トレーニングをすれば誰でもある程度高めることが出来ると言われています。
ボストン精神分析研究所の前所長のモーリス・バンダーボルによると、ホロコースト(強制収容所)で生き延びた存命者は「ユーモアのセンス」とか「他者に愛着を抱く能力」があったという記録も残っています。又、暴力的な他者の侵入から自衛を図る心的機能「レジリエンスの高い子供は自分を支援するよう大人を仕向ける不思議な力を備えている」とか、都会のスラム街で育った若者がレジリエンスを発揮する場合、人を引き付ける運動能力のようなものを備えている傾向が強いと指摘されています。
また、レジリエンスの高い人は3つの能力を宿しているという伝説を唱えている人もいます。

1) 現実をしっかり受け止める力
2) 「人生には何らかの意味がある」という強い価値観によって支えられた確固たる信念
3) 超人的な即興力

また「手近にあるもので」何とかしようとする能力も必要だと言われています。
惨事に見舞われたら創意工夫で乗り切る、本来の使用法にとらわれることなく、誰も気付かない使い道を想像し、手近にあるものを最大限に活用するという能力も大事なのだと言われます。大地震の時や台風や浸水や濁流に流されるかもしれません。そんな時に生き延びる事が出来るかどうかは、もちろん運命的なところも多いと思いますがやっぱりレジリエンスを身につけているかが大きな理由となるのかもしれません。

ポール・ジャネ

ジャネーの法則」によると、人生の折り返し地点は19才ということですから、20代・30代・40代と年を取るごとに年を取るスピードは速くなると言います。
そして人間は誰でも一日一日を死に向かっている生き物なのです。
そう考えると何が起こっても大したことではないという考えもあるかもしれません。かと言って「楽観主義者」は最初に心が折れると言いますから、より大きな「ま坂」が生じた場合は、冷静かつ現実的な見解も必要でしょうし、楽観的でなく悲観的ともいえる冷静な現実感覚がより効果的なのかも知れません。その他、逃げることなく現実を直視する能力も必要かもしれません。どうしようもない状況にあっても、変えようもない運命に直面しても人生に何か意味を見いだせるということは並大抵の事ではなく誰にでも出来ることはありません。

そんな時には希望、機敏さ、粘り強さ、障害を克服する能力、努力、熱意、謙虚さ、誠実さ、公平さ、問題から逃げずに向き合う力、創造性、柔軟性、好奇心、人に責任を押し付けない度量などが必要なのかもしれません。

私たちが創造的に深みのある人間になれるのは幸福な時ではありません。心が広がりそれまで見たことのないものが見えるようになるのは多くの場合、苦しみや不正や裏切りや病気に出会った時である場が多いと言われます。失意の時は新たなスタートの時であると考え思い上がりを捨ててより本格的な生き方をチャレンジする考え方がいいと思います。
ガンジー
ヘレンケラー マザーテレサ ベートーベン ガンジー
野口英世
ヘレンケラーやガンジー、マザーテレサやベートーベンや野口英世等、過去の偉人の人生から自分に出来そうな何かを常日頃から学んでおくこともや自分より不幸な人を思い浮かべて踏ん張るとかも必要かも知れません。しかし何といっても、そんな困難な状況を乗り切る為にはどこかに余裕(ゆとり)が無ければなりません。そのゆとりとは精神的なゆとり、体力的なゆとり、そして経済的なゆとりも重要でしょう。切羽詰まった時に体力的・精神的なゆとりが無ければ自暴自棄になったり、間違った判断をすることになるでしょう。当然のことながら体力が無いと心身共に落ち込んでしまい踏ん張りがききません。そして弱気になって前向きに考える事が出来ません。お金が無くては何も買えません。食べ物も最低限のライフラインである電気、水道、ガスでさえタダではありません。 ですから私は、それらのゆとりを持つためには究極的には常日頃からコツコツとある意味規則正しい生活とか習慣を維持継続していく必要があると思っています。
しかしながら何でも倹約して無駄使いをしないという生活態度であればいいかというとそうではありません。
人間ある程度、無駄な事も必要です。そこから新しいアイデアやヒントが湧き出たりします。ですからケチケチな生活を送るよりいかにしたらお金を稼げるかを考えた方が良いと私は思います。それらは、人それぞれの生き方や考え方や能力がありますからこれといった正しい生活態度というものは無いでしょう。
人間は人それぞれ、あらゆる違うところに喜びや悲しみを感じる生き物です。そして、どんな人間でも、完璧ではなく一皮剥けば欠点だらけです。日常生活の中で自分自身が作り出してきた功と罪があるとすれば、少なくとも罪より功の部分を多く積み上げれられるような努力を重ねていけば、たとえ苦労ばかりの人生だとしても、次の新しい光明を思い出すことが出来るのではないでしょうか。


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プロフィール

蓑田 常弘

Author:蓑田 常弘

一級建築士 蓑田常弘

株式会社ミノダ建築デザイン 代表
LIXILリフォームショップライファ立川代表
株式会社スインクハート 代表


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建築一筋だが、建築馬鹿ではない。

いつ仕事をしているか分らないが、しっかり納期には間に合っている。

自分の好きな建物の仕事で生計を立てられている自分はとても幸せ者だと思う。

1日おきの2kmの水泳はこれからずっと続けたいと思っている。
(楽しみというより修行のような)

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